決められませんでした。

あ、どっちでもいいです。

金づる

その知り合いはメアドの作り方が分からなかった。
ググればすぐ作り方なんて出てくるのに。


だが俺も金は欲しい、5000円で教えてくれとせがまれて渋々請け負ったが、本音はめちゃくちゃ感謝していた。

学校帰りに知り合いの家に行ってテキトーに済ませて5000円を貰いソッコーでLAWSON、課金をした。人生で初の課金はぼったくって稼いだ5000円。
欲しかった服とペットを買って満足した。


これに味を覚えた俺は、こいつを金づるとして扱うようになった。

『課金のやり方教えてやっから金くんね?』
『一緒に遅刻してやっから金くんね?』
遊戯王のカード買ってくんね?』
PSPに曲いれてやっから金くんね?』

当時俺は決闘者(デュエリスト)だった。
余談だが、DAIGOみたいな指抜きグローブをアベイルで買って、公式大会に出て恥を晒した。
でも今でもイケてると思ってる。割りとマジで。


遊戯王とピグの両立を目指して俺は金づるからどうやって金をむしるか必死に考えた。


考えた末に、
『宿題やってやるから金くんね?』
この言葉がスルりと口から出てきた。


俺は3000円でワークの漢字練習を始めた。
家ではピグと遊戯王のデッキレシピを練ること以外したくないから行間時間に取り組んだ。


予定ではその日の帰りに3000円を貰うはずだった。
が、ここで思わぬアクシデントが起きる。



『えwwなんで今宿題やってんの?wwww』
学年トップのDQNが絡んできた。


『家でやるのめんどいから今やってんだよねwww』
なんとか誤魔化したい俺氏。
金もらって宿題やってるなんてバレたら、俺の好感度はだだ下がりである。最初から無かったのだが。


『え、てかこれお前のじゃなくね?』
『いや、俺のだけど(裏声』
『あ?これ○○のじゃん、なんでお前こいつのやってんの?ちょっとまってろ。』


まずい。
ばれた。
金のことは話すなよ金づる。
ホントに焦ったときは汗だけじゃなく涙も出そうになるし叫びたくなる。


必死で考えを張り巡らせた結果、



俺はしらばっくれた。
せっせと金づるの課題を進める。
めんどくさいことになるなよと祈りながら。
黙々と。


すぐだった。
『わり、もうやんなくていいよ』
金づるが泣きながら俺の机に来た。



終わった。
お前全部ゲロってんじゃねえよ。
最低である。



金づるは早退した。
行間休みの10分間の出来事だった。


(俺の3000円…俺の好感度…)
そのあとのことは覚えてないが、これから俺収入源どうしよとか考えてたと思う。


放課後、いつも通り部活サボって帰ろうとしたときに担任にとめられる。


『部活終わったら生徒指導室に来てください』


めんどくせ~。
部活行かなきゃなんねえのかよ。
しかも終わってもすぐ帰れねえし。



そして生徒指導室で洗いざらい正直に吐いた。
どうせ金づるが全部ゲロってるからしらばくれてもめんどくせえし。
ライアーゲームの再放送でなおちゃんが人間は正直が一番とか言ってたし。


全部話して終わりかと思った。
担任の口調が変わる。


『おめーよぉ、あいつのこと金づるとしか見てねえだろ』



え、嘘やん。
いまから説教タイム?
てか口調いきなり変わったしこわあ。
やめてえ。泣きそう。
はぁ~~~~~~~~帰りてえ。



『いや、○○君とは友達です』
無意識に言葉が出た。
そんなこと思ってもないのに。
金づるとしか見てないのに。
怒られたくないし、帰りたいし、めんどくさいし、なにより自分が一番可愛い俺は穏便に終わらせたい。
ここで歯向かっても、この人には勝てない。



『おめえは友達から金とんのか?あいつもバカだけどよぉ、おめえはもっとバカだ。自覚しろ。』

『今回は本当に自分がバカだったと思います。すみませんでした。○○君にも今日謝りにいきます。』


こんな感じの流れで生徒指導室から出てった。
我ながらかなり穏便に終わらせた。


その後、金づるの家に向かう。
流星のロックマンWi-Fi対戦をしたあとに、親父と向かう。


入ったとたん、




『すみませんでした!!!!!!!!!!!』
泣きながら金づるが玄関で土下座してきた。



正直笑った。
笑いをこらえるのに必死だった。
俺が悪いのになあ。
こいつなんもしてねえのにごめんなあ。



『あ、俺のほうこそごめんね』
俺は土下座なんてしない。
軽く会釈した。


次の日、俺はそいつと学校にいくことになった。
昨日は親父がいたからいいが、金づるの家にチャイムを鳴らすのが何か怖かった。


チャイムを鳴らすと金づるが出てきた。


『昨日はマジでごめん』
形式的に謝る俺。



『おまえさぁ、なんで担任に全部ゲロったの?俺呼び出されてめっちゃ怒られたし、親にもすげえ怒られたわ。マジ氏ね。』


流石に笑いをこらえきれなかった。
金づる、やっぱ俺もお前もバカだ。


それからも俺は金づるに物を売ったり、なんやかんやで金を巻き上げた。



成人式で会えたらまた金くれよな。